今回は神様にお供えするお食事=神饌(しんせん)についてまとめました。
しんせん…ってなに?
あまり聞き慣れない言葉ですよね!
神様に召し上がっていただくお料理のことを神饌といいます!
神棚の上にあげるお米やお塩のことです。
今日はこの神饌について詳しく見ていきます。
神饌の置き方、交換時期などなどこれを読めば神饌マスターになれますよ~♪
神饌とは
神饌(しんせん)とは

神様にお供えする食べ物・飲み物を神饌(しんせん)、御饌(みけ)・御贄(みにえ)といいます。
一般的には神饌(しんせん)と呼ぶことの方が多いですね!
神社で神様にお供えするものも、神棚で神様にお供えするものも、どちらも神饌です。
神社でも神棚でも毎朝あたらしい神饌を神様に献上します。
神様にいただいてもらう「お食事」ということでお供えしているので、朝にお供えして、夕方にはお下げします。
わたしは、炊いたお米などの神饌は固くなってしまうので、夕方に下げるのではなく、5~10分程度あげたらひと声かけてからおろして、神様のお下がりをいただいています。
神饌の始まり

遥かむかし、人々は神様むかって五穀豊穣を祈り、日々の生活を守ってもらっていました。
人々にとって神様は、食べ物を保証してくれる大いなる存在でありました。
その神様に感謝を捧げ、
またこれからもよろしくお願いします
という意味を込めてお祭(儀式)を行い、儀式の際に神様に食べ物を捧げていました。
当時の人々にとって食べ物は非常に大切なものであり、特に人々の食べているものの中で最高だと思えるものを神様に捧げ、心から感謝の意を述べていました。

祭りのあとには、お供えした食べ物を神様と一緒に食べる直会(なおらい)を行い、神様と同じものを口にすることで、神様の霊力をいただき、神様のご加護と恩恵にあずかっていたといわれています。
これが現在まで続く、神饌の始まりです。
伊勢神宮では2,000年前からずっと変わらず、鮑(あわび)をお供えしているそうです!
神饌の種類

神饌の種類は、お米・お水・お塩・お野菜・お魚・お神酒などです。
山の幸や海の幸、その地域の特産品や神様にゆかりのあるものなどを捧げます。
神饌には二種類あります。
- 生饌(せいせん) : 生のまま供えられる神饌
- 熟饌(じゅくせん): 調理したものをお供えする神饌
以前は蒸す・搗く・煮る・炊く・焼く・漬ける・発酵させるなどの調理をほどこした熟饌が一般的でしたが、1871年(明治4年)の神社制度改革によって祭式次第が改められ、食材をまるまんま捧げる生饌が主流になりました。
昔と変わらず調理したものをお供えする神饌(熟饌)は、他の地域では見られない神饌のやり方をしているということから現在は特殊神饌と呼ばれています。
ちなみに、この特殊神饌(熟饌)が現在の日本食のルーツになっているそうです!
日本全国に約8万5,000の神社がありますが(大手7社のコンビニ総数より多いんですよ!)、特殊神饌を行っている神社は全国で数え切れるほどしかありません。
ただし、神棚にお供えするときには、こんなに多くの神饌を置けない家がほとんどだと思います。
お米・お水・お塩・お酒だけをお供えしているというお家が多いです!
ちなみにこの3つは日供(にちぐ)と呼ばれ、古代から貴重な食品とされてきたものです。
お供えの仕方
神饌の配置
それぞれを神棚のどこに置けばいいの?
神饌は八宝の上に置いてお供えします。
八宝のどの位置に置くかが決まっているので紹介しますね!
八宝とは、神具・神饌を乗せるヒノキでつくられた台のことです。

神饌には順位付けがなされており、順位の高いものから順に真ん中→右→左→右…と交互に置かれていきます。
- 米
- 酒
- 餅
- 魚
- 鶏卵
- 海菜
- 野菜
- 果物
- 菓子
- 塩
- 水
すべての神饌を用意する必要はなく、この中から何個かだけで構いません。
神饌が奇数個の場合はこれを真ん中、右・左と交互に置いていきます。
神殿 | ||||
5番目 | 3番目 | 1番目 | 2番目 | 4番目 |
神饌が偶数個の場合は真ん中、左・右と交互に置きます。
神 | 殿 | ||||
6番目 | 4番目 | 2番目 | 1番目 | 3番目 | 5番目 |
これを応用して、神棚の場合には1.米、2.酒、10.塩、11.水をお供えするので

これは二脚八宝を使った場合なので二列に並んでいますが、横並びに出来るときにはお社に向かって左から
水 → 酒 → 米 → 酒 → 塩
と一列に並べましょう。
米、塩、水だけの場合にはこのようになります。

お供えの仕方
ここでは一般的な、神棚にお塩・お米・お水の3種の神饌を毎日お供えしている場合についてお話します。
神棚の場合、神饌は朝起きてすぐにお供えするのが理想的です。
お水

お水は初水(はつみず)、つまりその日、蛇口から一番最初に出てくる水を使うのが良いと言われています。
もちろん、ウォーターサーバーのお水やミネラルウォーターを使っても全然問題ありません。むしろ、
自分が美味しい!と思っているものを神様に捧げているので、とっても良いことです。
お米

お米は洗米でも良いとされていますが、できることなら炊きたてのご飯が一番良いです(写真も洗米ですが…。笑)。
炊飯器に残っているお米を神様に捧げるのではなく、炊きあがって一番目に神様に食べていただくようにします。
神様のためにお米を炊いて、それを召し上がっていただくようにするのです。
人間のお下がりとなってはだめです。
もちろん、神様に捧げたあとに残った炊飯器の中のご飯はそのあと食べちゃって大丈夫です!
でもまずは最初に神様に捧げましょう!
お塩

お塩は粗塩が良いとされています。海水から出来たお塩を使うといいでしょう。
ちなみに私はこれを使っています!
サラサラでべたつかず、盛り塩作りがとっても楽です!
お塩を山型になるように盛ります。
ネットで探すと簡単にきれいな盛り塩を作れる固め器がたくさん売っています。
このような専用の容器を使って山型にしてもよいですし、上からサラサラサラ〜とお塩を盛ると自然な山型が出来上がるので、そちらでも全然問題ありません。
ですが、盛ったお塩を手で形を整え山型にするのはやめましょう。
神様に召し上がっていただくものですので、手でベタベタ触るのは良くないです。
お塩・お米・お水を毎日交換する場合について説明しましたが、負担に思う方はお水を交換するだけでも大丈夫ですよ!
残りの神饌(米・塩・酒)は毎月1日と15日の交換だけでもOKです。
毎月1日と15日は神様にとってのお祭り=月次祭(つきなみさい)なので、それに合わせてその他の神饌も新しいものに替えましょう。
特別な日の神饌

お正月やなにかお祝い事(結婚・出産・七五三など)があったときには、先程の米・塩・水に加え、山の幸・海の幸・野の幸も捧げると神様に大変喜ばれます。
山の幸は、木になるものを指します。果物でも大丈夫です。
海の幸は、よく使われるのは鯛です。もちろん鯛以外のものでも大丈夫ですが、鯛だと神様が喜んでくれるみたいです。

野の幸は、野菜を指します。きゅうり、にんじんなど、手に入りやすい野菜で大丈夫です。
さきほどの並べ方を参考に、
神殿 | |||||||
塩 | 野の幸 | 酒 | 米 | 酒 | 海の幸 | 山の幸 | 水 |
…と、置ければいいですが、スペースがなかったら一皿にまとめて山の幸・海の幸・野の幸を入れちゃっても大丈夫みたいですよ~!
我が家も一皿にまとめて入れちゃってます!
神饌まとめ
以上が古代より続く神饌の捧げ方でした!
神棚の疑問がすこしでも解消されますように!
- 神棚に捧げる神様のお食事=神饌(しんせん)
- 昔々行われていた儀式で神様に食べ物を捧げていたのが神饌の始まり
- 神饌には多くの種類がある
- 米
- 酒
- 餅
- 魚
- 鶏卵
- 海菜
- 野菜
- 果物
- 菓子
- 塩
- 水
- 配置は神饌の順位付けによって決まる
- 毎日神饌を取り替えよう
- 基本はお米・お塩・お水の日供(にちぐ)を毎日取り替える
- それがむずかしければお水だけでもOK
- 毎月1日と15日の月次祭に合わせてその他の神饌も取り替えましょう



